研究から見る企業キャラクター / 動きやすくする

企業キャラクターは、「次の一歩」を軽くできる?

先に結論

不安や迷いを軽くし、小さな次の行動を助ける可能性があります。ただし、静止画の企業キャラクターだけで問い合わせや購入が増える証拠は弱いです。

分かっていること
人らしい言葉を使うチャットボットでの回答行動や、恥ずかしい相談でのロボット選択、質問に答える双方向の案内などに、参考になる研究があります。
条件
怖い・分からない・面倒など、止まる理由を見つける
まだ分からないこと
静止した企業キャラクターを置くだけで、問い合わせや購入が増えるかは、まだ分かりません。

研究で比較的分かっていること

人らしい言葉を使うチャットボットでの回答行動や、恥ずかしい相談でのロボット選択、質問に答える双方向の案内などに、参考になる研究があります。

健康行動を扱った近い領域の研究も含みます。企業キャラクター単体の効果や、YataLogicが提供する医学的効果を示すものではありません。

どんな条件が重要そうか

  • 怖い・分からない・面倒など、止まる理由を見つける
  • 次にすることを具体的に示す
  • 手続きそのものを簡単にする
  • 困ったときは人へつなぐ

代表研究

何を比べ、何が変わったのか。対象や条件と一緒に読みます。YataLogicによる実務への読み替えは、研究結果と分けて表示しています。

この条件では正の差近い領域の研究

誰かがいる感じが、小さな回答を助けることも

チャットボットの実験では、人間的な言葉遣いの条件で、小さな依頼に回答する行動が起こりやすい結果でした。「誰かがいる感じ」が、その関係の一部を説明していました。

研究では何を比べた?
人間的な言葉遣いをするチャットボットと、基準となる条件
何を測った?
小さな依頼に回答したか
対象
分析対象 n=153
ここまでは言えません

会話するチャットボットの研究です。静止画の効果や、問い合わせの増加率を示してはいません。

YataLogicでの読み方:不安を言葉にし、最初に選べる選択肢を示す役割への応用を考えます。

研究について詳しく見る(誰かがいる感じが、小さな回答を助けることも)
研究デザイン
実験
比較・研究条件
人間的な言語表現ありのチャットボット vs 基準条件
測定指標
軽い依頼への回答行動
主な結果
人間的な表現条件で回答オッズが高く、社会的存在感が経路を説明。
主要数値(尺度は研究ごとに異なります)
OR=3.975、分析n=153
言えること
『誰かがいる感じ』が小さな行動を後押しする場合がある。
重要な限界
OR=3.975は回答率やCVRが3.975倍という意味ではない。静止画マスコットではない。
数値や研究方法についての補足へ ↓

Adam, M., Wessel, M., & Benlian, A.(2021)

AI-based chatbots in customer service and their effects on user compliance

Electronic Markets

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条件・指標によって異なる近い領域の研究

人にどう思われるかが気になる場面では

恥ずかしさが強いサービスの場面では、人間よりロボットの窓口が多く選ばれました。一方、恥ずかしさが低い場面では人間の方が多く選ばれ、状況によって結果が変わりました。

研究では何を比べた?
恥ずかしさが高い・低いサービス場面での、ロボットと人間の窓口
何を測った?
どちらの窓口を選ぶか、人にどう見られるかという不安
対象
事前調査 n=101ほか
ここまでは言えません

ロボットがいつも好まれるわけではありません。動物型のキャラクターが有利かも調べていません。

YataLogicでの読み方:話しにくい相談では、人に評価される不安を軽くできる窓口の役割を検討します。

研究について詳しく見る(人にどう思われるかが気になる場面では)
研究デザイン
複数研究
比較・研究条件
恥ずかしさが高い/低いサービスでロボット vs 人間
測定指標
選択・評価不安
主な結果
恥ずかしさが高い場面ではロボット選択が多く、低い場面では人間選択が多かった。
主要数値(尺度は研究ごとに異なります)
高:64.7% vs 35.3%/低:44% vs 56%
言えること
非人間的な窓口が評価不安を弱める場面がある。
重要な限界
ロボットが常に好まれるわけではない。動物型キャラの優位も直接検証していない。
数値や研究方法についての補足へ ↓

Holthöwer, J., & van Doorn, J.(2023)

Robots do not judge: Service robots can alleviate embarrassment in service encounters

Journal of the Academy of Marketing Science

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この条件では正の差近い領域の研究

質問できて、次の行動が分かる案内

ワクチン接種を扱った大規模な比較試験では、質問や状況に合った案内を含む双方向の支援で、実際に接種した割合が高くなりました。一方向の通知だけの条件と比べても差がありました。

研究では何を比べた?
双方向のチャット、一方向の通知、案内を行わない条件
何を測った?
実際にワクチンを接種したか
対象
n=249,705
ここまでは言えません

健康行動を扱った近い領域の研究です。質問や案内を含む支援全体の効果で、キャラクター画像の効果ではありません。

YataLogicでの読み方:応援の言葉に加えて、行動に必要な情報をその場で渡す案内を考えます。

研究について詳しく見る(質問できて、次の行動が分かる案内)
研究デザイン
事前登録・3群RCT
比較・研究条件
双方向チャットボット vs 一方向リマインド vs 無介入
測定指標
実際のワクチン接種
主な結果
双方向介入で実際の接種行動が増加。
主要数値(尺度は研究ごとに異なります)
+1.6pp vs 対照、+1.0pp vs 一方向、n=249,705
言えること
質問・状況別案内・次の行動の明確化を含む双方向支援は実行動を動かし得る。
重要な限界
キャラクター画像の効果ではなく、介入パッケージ全体の効果。
数値や研究方法についての補足へ ↓

Brown, D., Barrera, A., Ibañez, L., Budassi, I., Murphy, B., Shrestha, P., Salomon-Ballada, S., Kriscovich, J., & Torrente, F.(2024)

A behaviourally informed chatbot increases vaccination rates in Argentina more than a one-way reminder

Nature Human Behaviour

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うまくいかなかった研究・注意点

人間らしさ自体の明確な直接効果が確認されなかった分析もあります。怒っている顧客への対応では、人らしさが期待を高め、解決できないと評価を下げる場合があります。

明確な差は確認されず近い領域の研究

人間らしさだけの直接効果は確認されず

サービス業のチャットボット研究をまとめた分析では、人間らしさ自体の明確な直接効果は確認されませんでした。使うかどうかを考えるうえでは、信頼できることや役立ちそうという期待が中心でした。

研究では何を比べた?
チャットボットを使う判断と、人間らしさ・信頼・役立ちそうという期待などの関係
何を測った?
チャットボットを使うかどうかに関わる要因
対象
サービス業チャットボット研究
ここまでは言えません

この分析での直接効果の結果です。人間らしさがどんな場面でも無意味だという意味ではありません。

YataLogicでの読み方:見た目を決める前に、利用者へどんな具体的な支援を届けられるかを決めます。

研究について詳しく見る(人間らしさだけの直接効果は確認されず)
研究デザイン
メタ分析・meta-SEM
比較・研究条件
AIチャットボット採用研究のmeta-SEM
測定指標
利用・採用要因
主な結果
信頼と性能期待が中心で、擬人化の有意な直接効果は確認されなかった。
主要数値(尺度は研究ごとに異なります)
メタ分析
言えること
人間らしさより、役に立つ・信頼できることが重要。
重要な限界
擬人化が常に無効という意味ではない。
数値や研究方法についての補足へ ↓

Rohit, K., & Vishwakarma, P.(2026)

Meta-analytic insights into AI chatbots adoption in the service industry: uncovering dynamics and contextual insights using a meta-SEM approach

Marketing Intelligence & Planning

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特定の条件では逆効果近い領域の研究

期待に応えられないと、評価が下がることも

怒っている顧客とのやり取りでは、人間らしいチャットボットに問題を解決できる期待が高まりました。その期待に応えられないと、満足や企業への評価、購入したい気持ちが下がる場合がありました。

研究では何を比べた?
怒っている顧客と、人間らしい表現を持つチャットボットのやり取り
何を測った?
満足、企業への評価、購入したい気持ち
対象
実データ約46.2万session+4実験
ここまでは言えません

怒っている顧客や、問題を解決できない条件が重要です。親しみやすい表現が常に逆効果という意味ではありません。

YataLogicでの読み方:苦情や金銭・安全性に関わる問題では、早く人に引き継げるようにします。

研究について詳しく見る(期待に応えられないと、評価が下がることも)
研究デザイン
実データ+複数実験
比較・研究条件
怒っている顧客×擬人化チャットボット
測定指標
満足・企業評価・購入意向
主な結果
解決能力への期待が高まり、対応できないと満足・企業評価・購入意向が低下。
主要数値(尺度は研究ごとに異なります)
実データ約46.2万session+4実験
言えること
擬人化は期待も上げるため、怒り・重大問題では逆効果になり得る。
重要な限界
親しみやすさが常に満足・信頼を上げるとは言えない。
数値や研究方法についての補足へ ↓

Crolic, C., Thomaz, F., Hadi, R., & Stephen, A. T.(2022)

Blame the Bot: Anthropomorphism and Anger in Customer–Chatbot Interactions

Journal of Marketing

原論文・原資料を見る(外部サイト・新しいタブで開きます)

差が確認できなかったことは、あらゆる場面で効果がないという意味ではありません。逆効果も、そこで調べた条件の結果として読みます。

YataLogicでは、こう考えます

以下は、複数の研究を実務向けに整理した設計のヒントです。自社で同じ結果が出ると保証するものではありません。

研究で分かったこと

チャットボットの実験では、人間的な言葉遣いの条件で、小さな依頼に回答する行動が起こりやすい結果でした。「誰かがいる感じ」が、その関係の一部を説明していました。

YataLogicでの応用

不安を言葉にし、最初に選べる選択肢を示す役割への応用を考えます。

元の研究と条件を確認する ↑
研究で分かったこと

恥ずかしさが強いサービスの場面では、人間よりロボットの窓口が多く選ばれました。一方、恥ずかしさが低い場面では人間の方が多く選ばれ、状況によって結果が変わりました。

YataLogicでの応用

話しにくい相談では、人に評価される不安を軽くできる窓口の役割を検討します。

元の研究と条件を確認する ↑

実際に使ったら、何を見る?

任せた仕事に合わせて、次の反応を分けて確認します。

  • 回答を始めたか
  • 次の選択肢や問い合わせフォームへ進んだか
  • フォームを最後まで完了したか
  • 必要なときに人へ引き継げたか

研究についての補足

本文は数字を読まなくても分かるようにしています。統計値の意味を確かめたい方はこちらをご覧ください。

数値や研究方法の意味を確認する

数値は、研究で測った差や不確かさを確かめるための補足です。異なる指標を同じ「改善率」に置き換えることはできません。

OR(オッズ比)
ある事象のオッズを条件間で比べた比。 OR=3.975は回答率が3.975倍という意味ではない。 率に変換せず『オッズが高かった』と説明。
パーセントポイント(pp)
割合どうしをそのまま引いた差。 相対%増加と異なる。 10%→11.6%は+1.6ポイント。
RCT
対象を無作為に群分けする比較試験。 一般に因果推論に強いが、その介入全体の効果。 キャラクター以外の機能が同時に入る場合は単体効果と呼ばない。
メタ分析
複数研究の結果を統計的に統合する方法。 研究間の違いが大きい場合、平均値だけでは不十分。 I²や対象・介入の違いも確認。
NS / 有意差なし
統計的に明確な差を確認できなかった状態。 『効果がゼロと証明された』とは限らない。 『この条件では有意差が確認されなかった』と書く。

本ページの整理は、YataLogicが複数の研究を実務向けに読み合わせたものです。科学的に確立された独自モデルではありません。

参考文献

このページでは5論文・資料の5件の結果を扱っています。同じ論文の別の結果は、分けて紹介しています。

  1. Adam, M., Wessel, M., & Benlian, A.(2021)

    AI-based chatbots in customer service and their effects on user compliance

    Electronic Markets

    原論文・原資料を見る(外部サイト・新しいタブで開きます)

    紹介した結果:誰かがいる感じが、小さな回答を助けることも

  2. Holthöwer, J., & van Doorn, J.(2023)

    Robots do not judge: Service robots can alleviate embarrassment in service encounters

    Journal of the Academy of Marketing Science

    原論文・原資料を見る(外部サイト・新しいタブで開きます)

    紹介した結果:人にどう思われるかが気になる場面では

  3. Brown, D., Barrera, A., Ibañez, L., Budassi, I., Murphy, B., Shrestha, P., Salomon-Ballada, S., Kriscovich, J., & Torrente, F.(2024)

    A behaviourally informed chatbot increases vaccination rates in Argentina more than a one-way reminder

    Nature Human Behaviour

    原論文・原資料を見る(外部サイト・新しいタブで開きます)

    紹介した結果:質問できて、次の行動が分かる案内

  4. Rohit, K., & Vishwakarma, P.(2026)

    Meta-analytic insights into AI chatbots adoption in the service industry: uncovering dynamics and contextual insights using a meta-SEM approach

    Marketing Intelligence & Planning

    原論文・原資料を見る(外部サイト・新しいタブで開きます)

    紹介した結果:人間らしさだけの直接効果は確認されず

  5. Crolic, C., Thomaz, F., Hadi, R., & Stephen, A. T.(2022)

    Blame the Bot: Anthropomorphism and Anger in Customer–Chatbot Interactions

    Journal of Marketing

    原論文・原資料を見る(外部サイト・新しいタブで開きます)

    紹介した結果:期待に応えられないと、評価が下がることも

では、自社なら?

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