研究から見る企業キャラクター / 見てもらう

企業キャラクターは、「見てもらう」ことを助けられる?

先に結論

注意や認識を助ける可能性があります。ただし、人に情報を届けるのは広告やSNS、営業などの役割です。

分かっていること
商品とのつながりが分かるキャラクターで、ブランドが伝えたい内容の認識が高かった実験があります。子どもの食品パッケージで、視線が増えた研究もあります。
条件
事業の特徴や、顧客にとってのよさと結び付ける
まだ分からないこと
企業同士の取引で、長く会社を覚えてもらえるか。届く人数や売上が増えるかは、まだ分かりません。

研究で比較的分かっていること

商品とのつながりが分かるキャラクターで、ブランドが伝えたい内容の認識が高かった実験があります。子どもの食品パッケージで、視線が増えた研究もあります。

どんな条件が重要そうか

  • 事業の特徴や、顧客にとってのよさと結び付ける
  • 実際の掲載サイズで、姿と会社名が読み取れるようにする
  • 広告やWebなどで、同じ意味と姿を繰り返す

代表研究

何を比べ、何が変わったのか。対象や条件と一緒に読みます。YataLogicによる実務への読み替えは、研究結果と分けて表示しています。

この条件では正の差企業キャラクターに比較的近い研究

商品とのつながりが伝わること

成人を対象にした実験では、商品との関連性が高いキャラクターの条件で、伝えたい内容を認識できたかを表す得点が高い結果でした。

研究では何を比べた?
商品との関連性が高いキャラクターと、関連性が低いキャラクター
何を測った?
商品について伝えたい内容を認識できたか
対象
成人:実験1 n=105、実験2 n=364
ここまでは言えません

会社全体の認知度や売上の増加を測った結果ではありません。企業向けの営業でも同じ差が出るとは限りません。

YataLogicでの読み方:見た目を決めるときに、自社の商品や提供価値とどうつながる姿なのかを整理します。

研究について詳しく見る(商品とのつながりが伝わること)
研究デザイン
統制実験
比較・研究条件
商品との関連性が高いスポークスキャラクター vs 低い条件
測定指標
ブランド訴求の認識
主な結果
関連性が高い条件でブランド訴求認識得点が高かった。
主要数値(尺度は研究ごとに異なります)
5.50 vs 4.08(7段階)、p<.01
言えること
キャラクターと商品・便益の意味的な関連性が重要である可能性。
重要な限界
企業全体の認知度や売上が上がるとは言えない。BtoBで同じ効果量とも言えない。
数値や研究方法についての補足へ ↓

Garretson, J. A., & Burton, S.(2005)

The role of spokescharacters as advertisement and package cues in integrated marketing communications

Journal of Marketing

原論文・原資料を見る(外部サイト・新しいタブで開きます)
条件・指標によって異なる近い領域の研究

見られることと、選ばれることは別

子どもの食品パッケージの実験では、キャラクターがある商品に視線が向きやすく、長く見られました。一方、健康度が同程度の商品同士では、キャラクターがない商品の方が多く選ばれました。

研究では何を比べた?
キャラクターがある食品パッケージと、ない食品パッケージ
何を測った?
視線が向いたか、どれくらい見たか、どの商品を選んだか
対象
6〜9歳 n=149
ここまでは言えません

対象は6〜9歳の子どもです。視線が増えたことから、好感や購買、売上の増加は判断できません。

YataLogicでの読み方:見てもらえたかと、選んでもらえたかを別々に確認します。

研究について詳しく見る(見られることと、選ばれることは別)
研究デザイン
実験・視線計測
比較・研究条件
キャラクターあり vs なしの食品パッケージ
測定指標
視線・商品選択
主な結果
視線は増えた一方、同程度の健康度ではキャラクターなし商品の選択が多かった。
主要数値(尺度は研究ごとに異なります)
注視提示割合93.4% vs 88.8%、注視時間829.7ms vs 717.5ms、p<.001/選択はなし62.3%
言えること
注意を取ることと、選ばれることは別である。
重要な限界
注視増加から好感・購買・売上を推論できない。対象は6〜9歳。
数値や研究方法についての補足へ ↓

Ogle, A. D., Graham, D. J., Lucas-Thompson, R. G., & Roberto, C. A.(2017)

Influence of cartoon media characters on children’s attention to and preference for food and beverage products

Journal of the Academy of Nutrition and Dietetics

原論文・原資料を見る(外部サイト・新しいタブで開きます)
研究が足りない部分を整理近い領域の研究

企業独自のマスコットの研究は十分?

子どもと食品を扱ったこのレビューの収録実験には、企業独自のブランドマスコットを直接検証したものがありませんでした。関連する研究があっても、企業マスコットそのものの結果かどうかを分けて読む必要があります。

研究では何を比べた?
子どもと食品に関する既存研究で、どの種類のキャラクターが調べられているか
何を測った?
企業独自のマスコットを直接扱った実験が含まれるか
対象
採用実験11件
ここまでは言えません

2015年のこのレビューに含まれた範囲の話です。研究が不足していることは、効果がないという意味ではありません。

YataLogicでの読み方:企業向けの場面では小さく試し、実際のお客さまとの接点で反応を確認します。

研究について詳しく見る(企業独自のマスコットの研究は十分?)
研究デザイン
系統的レビュー
比較・研究条件
子ども×食品の既存研究を系統的レビュー
測定指標
研究の直接性
主な結果
採用実験11件、既知メディアキャラクター21種類、企業独自ブランドマスコット直接実験0件。
主要数値(尺度は研究ごとに異なります)
11実験/21キャラクター/企業独自マスコット0
言えること
企業マスコットの直接実験が不足しているという証拠ギャップ。
重要な限界
証拠不足は効果なしを意味しない。
数値や研究方法についての補足へ ↓

Kraak, V. I., & Story, M.(2015)

Influence of food companies’ brand mascots and entertainment companies’ cartoon media characters on children’s diet and health: A systematic review and research needs

Obesity Reviews

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あわせて確認した研究

条件・指標によって異なる企業キャラクターに比較的近い研究

長く見られても、覚えられるとは限らない

大学生を対象にした観光素材の実験では、マスコットと文字を組み合わせたデザインが長く見られました。ただし、視線を向けた回数や直後の記憶には明確な上乗せがありませんでした。

研究では何を比べた?
マスコットと文字を組み合わせた素材、文字だけの素材、画像だけの素材
何を測った?
見ていた時間、視線を向けた回数、直後に覚えていた内容
対象
大学生87人(注視20人、直後記憶67人)
ここまでは言えません

文字量・色・配置なども違うため、マスコットだけによる差とは言えません。

YataLogicでの読み方:キャラクターだけを切り離さず、文字や配置も含めたデザイン全体で確かめます。

研究について詳しく見る(長く見られても、覚えられるとは限らない)
研究デザイン
実験・視線計測
比較・研究条件
マスコット+文字 vs 文字のみ/画像のみ
測定指標
総注視時間・注視回数・直後記憶
主な結果
複合素材は総注視時間が長かったが、注視回数や直後記憶で明確な上乗せはなかった。
主要数値(尺度は研究ごとに異なります)
+3.343秒 vs文字、+2.830秒 vs画像、p<.001
言えること
マスコットと情報を組み合わせた複合デザインが長く見られる場合がある。
重要な限界
文字量・色・レイアウト等も異なるため、マスコット単独効果とは言えない。
数値や研究方法についての補足へ ↓

Chen, C., Xu, Q., Lin, Y., & Tian, J.(2026)

Visual attention and factual recall in tourism promotional materials: An eye-tracking study of mascot–text composite designs under natural viewing

Applied Sciences

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うまくいかなかった研究・注意点

成人向けのネット通販では、顔を加えても目立ちやすさに明確な差が出なかった研究があります。子どもの食品選びでも、長く見た商品が選ばれたとは限りません。

明確な差は確認されず近い領域の研究

顔を加えても、目立つとは限らない

英国の成人がネット通販の商品を見る実験では、パッケージに顔を加えても、目立つ商品として選ばれる割合や選ぶまでの時間に明確な差は確認されませんでした。

研究では何を比べた?
ネット通販に表示する、顔があるパッケージと顔がないパッケージ
何を測った?
目立つ商品として選ばれたか、選ぶまでにかかった時間
対象
英国成人 n=896
ここまでは言えません

小さな商品表示での結果です。企業キャラクター全般に効果がないという意味ではありません。

YataLogicでの読み方:実際に表示する大きさで、輪郭・顔・会社名・意味が読み取れるかを確かめます。

研究について詳しく見る(顔を加えても、目立つとは限らない)
研究デザイン
実験
比較・研究条件
EC上のパッケージ:顔あり vs 顔なし
測定指標
目立つ商品としての選択・選択時間
主な結果
9%対7%、8.2秒対8.1秒の数値差はあったが統計的有意差なし。
主要数値(尺度は研究ごとに異なります)
選択9% vs 7%、時間8.2s vs 8.1s、NS
言えること
小型EC表示では顔の追加だけでは目立ちやすさが変わらない場合がある。
重要な限界
企業キャラクター全般が効かないとは言えない。
数値や研究方法についての補足へ ↓

Romaniuk, J., Caruso, W., & Ward, E.(2025)

Can a face on pack help a brand stand out in grocery e-commerce environments?

International Journal of Market Research

原論文・原資料を見る(外部サイト・新しいタブで開きます)

差が確認できなかったことは、あらゆる場面で効果がないという意味ではありません。逆効果も、そこで調べた条件の結果として読みます。

YataLogicでは、こう考えます

以下は、複数の研究を実務向けに整理した設計のヒントです。自社で同じ結果が出ると保証するものではありません。

研究で分かったこと

成人を対象にした実験では、商品との関連性が高いキャラクターの条件で、伝えたい内容を認識できたかを表す得点が高い結果でした。

YataLogicでの応用

見た目を決めるときに、自社の商品や提供価値とどうつながる姿なのかを整理します。

元の研究と条件を確認する ↑
研究で分かったこと

子どもの食品パッケージの実験では、キャラクターがある商品に視線が向きやすく、長く見られました。一方、健康度が同程度の商品同士では、キャラクターがない商品の方が多く選ばれました。

YataLogicでの応用

見てもらえたかと、選んでもらえたかを別々に確認します。

元の研究と条件を確認する ↑

実際に使ったら、何を見る?

任せた仕事に合わせて、次の反応を分けて確認します。

  • 見てもらえたか
  • 伝えたい内容を認識できたか
  • 正しい会社と結び付いたか

研究についての補足

本文は数字を読まなくても分かるようにしています。統計値の意味を確かめたい方はこちらをご覧ください。

数値や研究方法の意味を確認する

数値は、研究で測った差や不確かさを確かめるための補足です。異なる指標を同じ「改善率」に置き換えることはできません。

p値
帰無仮説の下で、観察結果以上の差が得られる確率の目安。 効果の大きさではない。p<.05でも実務的に大きいとは限らない。 p<.05=『大きな効果』としない。
NS / 有意差なし
統計的に明確な差を確認できなかった状態。 『効果がゼロと証明された』とは限らない。 『この条件では有意差が確認されなかった』と書く。

本ページの整理は、YataLogicが複数の研究を実務向けに読み合わせたものです。科学的に確立された独自モデルではありません。

参考文献

このページでは5論文・資料の5件の結果を扱っています。同じ論文の別の結果は、分けて紹介しています。

  1. Garretson, J. A., & Burton, S.(2005)

    The role of spokescharacters as advertisement and package cues in integrated marketing communications

    Journal of Marketing

    原論文・原資料を見る(外部サイト・新しいタブで開きます)

    紹介した結果:商品とのつながりが伝わること

  2. Ogle, A. D., Graham, D. J., Lucas-Thompson, R. G., & Roberto, C. A.(2017)

    Influence of cartoon media characters on children’s attention to and preference for food and beverage products

    Journal of the Academy of Nutrition and Dietetics

    原論文・原資料を見る(外部サイト・新しいタブで開きます)

    紹介した結果:見られることと、選ばれることは別

  3. Romaniuk, J., Caruso, W., & Ward, E.(2025)

    Can a face on pack help a brand stand out in grocery e-commerce environments?

    International Journal of Market Research

    原論文・原資料を見る(外部サイト・新しいタブで開きます)

    紹介した結果:顔を加えても、目立つとは限らない

  4. Kraak, V. I., & Story, M.(2015)

    Influence of food companies’ brand mascots and entertainment companies’ cartoon media characters on children’s diet and health: A systematic review and research needs

    Obesity Reviews

    原論文・原資料を見る(外部サイト・新しいタブで開きます)

    紹介した結果:企業独自のマスコットの研究は十分?

  5. Chen, C., Xu, Q., Lin, Y., & Tian, J.(2026)

    Visual attention and factual recall in tourism promotional materials: An eye-tracking study of mascot–text composite designs under natural viewing

    Applied Sciences

    原論文・原資料を見る(外部サイト・新しいタブで開きます)

    紹介した結果:長く見られても、覚えられるとは限らない

では、自社なら?

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事業の特徴と顧客との接点から、任せる役割を一緒に考えます。

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