研究から見る企業キャラクター / 続けやすくする

企業キャラクターは、「続ける」ことを支えられる?

先に結論

短期の具体的な支援には可能性があります。ただし、キャラクターを置くだけで長く続くとは言えません。

分かっていること
人らしさと「使いたい」という気持ちの関連や、通知・教育・質問対応を組み合わせた服薬支援、運動コーチの一部の短期結果などが報告されています。
条件
次にすることと進み具合を伝える
まだ分からないこと
半年後や1年後も続くか。契約更新や再契約につながるか。静止したマスコットだけで継続を助けるかは、まだ分かりません。

研究で比較的分かっていること

人らしさと「使いたい」という気持ちの関連や、通知・教育・質問対応を組み合わせた服薬支援、運動コーチの一部の短期結果などが報告されています。

健康行動を扱った近い領域の研究も含みます。企業キャラクター単体の効果や、YataLogicが提供する医学的効果を示すものではありません。

どんな条件が重要そうか

  • 次にすることと進み具合を伝える
  • 達成に合わせて具体的にフィードバックする
  • 中断したときの戻り方を示す
  • 通知の頻度と使いやすさを整え、必要なときは人へつなぐ

代表研究

何を比べ、何が変わったのか。対象や条件と一緒に読みます。YataLogicによる実務への読み替えは、研究結果と分けて表示しています。

関係やそのつながりを検討近い領域の研究

使いたい気持ちと、使い続けることは別

ロボットやチャットボットなどの研究をまとめた分析では、人間らしく感じる程度と、使いたい気持ちに小さい正の関連が見られました。使いやすさや役立つこと、安全に感じることなども関わっていました。

研究では何を比べた?
人間らしく感じる程度と、使いたい気持ちなどの関係を扱った研究
何を測った?
主に使いたい気持ちや、使いやすさ・役立ちそうという評価
対象
108サンプル・11,053人
ここまでは言えません

実際に長く使い続けたか、契約を更新したかを追った結果ではありません。関連だけで原因は決められません。

YataLogicでの読み方:親しみを持てることに加え、実際に役立つ支援を用意します。

研究について詳しく見る(使いたい気持ちと、使い続けることは別)
研究デザイン
メタ分析
比較・研究条件
擬人化研究のメタ分析
測定指標
主に利用意向・知覚
主な結果
擬人化と利用意向に小さい正の関連。知性・安全性・使いやすさ・有用性・社会的存在感等が関与。
主要数値(尺度は研究ごとに異なります)
rc=.35[.30,.41]、108サンプル・11,053人
言えること
人らしさだけでなく、使いやすさ・有用性・安全性の知覚が重要。
重要な限界
実際の長期利用や更新率を追った結果ではない。
数値や研究方法についての補足へ ↓

Blut, M., Wang, C., Wünderlich, N. V., & Brock, C.(2021)

Understanding anthropomorphism in service provision: a meta-analysis of physical robots, chatbots, and other AI

Journal of the Academy of Marketing Science

原論文・原資料を見る(外部サイト・新しいタブで開きます)
条件・指標によって異なる近い領域の研究

学んだことを覚えることは、利用継続とは違う

教育用の案内役を扱うレビューでは、学習成果に小さい正の差を示す分析が多くありました。一方、学ぶ意欲や感情については、結果がそろっていませんでした。

研究では何を比べた?
教育用の案内役を扱う、複数の研究レビュー
何を測った?
学習成果、学ぶ意欲、感情
対象
17レビュー(うち7メタ分析)
ここまでは言えません

教育研究でいう「保持」は、学んだ知識を覚えていることです。サービスの利用継続や講座の完了とは別です。

YataLogicでの読み方:学習成果が良かったことを、そのまま利用継続率の根拠にはしません。

研究について詳しく見る(学んだことを覚えることは、利用継続とは違う)
研究デザイン
アンブレラレビュー
比較・研究条件
教育用エージェント研究のアンブレラレビュー
測定指標
学習・動機・感情
主な結果
学習成果に小さい肯定的効果を示すメタ分析が多いが、動機・感情は混在。
主要数値(尺度は研究ごとに異なります)
17レビュー
言えること
教育用エージェントは一部の学習支援に有望。
重要な限界
教育研究のretentionは知識保持で、利用継続・講座完了とは別。
数値や研究方法についての補足へ ↓

Schroeder, N. L., Davis, R. O., & Yang, E.(2025)

Designing and Learning With Pedagogical Agents: An Umbrella Review

Journal of Educational Computing Research

原論文・原資料を見る(外部サイト・新しいタブで開きます)
条件・指標によって異なる近い領域の研究

服薬を支える仕組みには可能性、結果には幅

通知・教育・質問への回答などを組み合わせた服薬支援では、平均すると正の結果でした。ただし、研究ごとの結果は大きく異なり、客観的な服薬指標だけの分析では明確な差がありませんでした。

研究では何を比べた?
チャットボットによる服薬支援を扱った研究
何を測った?
薬を決められたとおりに使えていたか
対象
7研究・5,676人(統合6RCT・5,636人)
ここまでは言えません

健康行動を扱った近い領域の研究です。支援全体の結果であり、キャラクターの外見や人格だけの効果ではありません。

YataLogicでの読み方:次にすることや必要な情報を、一貫した案内役から届ける使い方を考えます。

研究について詳しく見る(服薬を支える仕組みには可能性、結果には幅)
研究デザイン
系統的レビュー・メタ分析
比較・研究条件
AIチャットボットによる服薬支援のレビュー・メタ分析
測定指標
服薬遵守
主な結果
統合効果は正だが異質性が非常に高く、客観的PDC統合は有意差なし。
主要数値(尺度は研究ごとに異なります)
SMD=.69[.17,1.22]、I²=97%/客観PDC SMD=.13 NS
言えること
通知・教育・Q&A等を束ねた支援パッケージは有望な場面がある。
重要な限界
キャラクター外見・人格の単独効果ではない。SMD=.69は69%向上ではない。
数値や研究方法についての補足へ ↓

Chen, S., Fang, Y., Ding, L., Mo, P. K. H., & Wang, Z.(2026)

Artificial intelligence–based chatbots to enhance medication adherence among patients with non-communicable chronic diseases: Systematic review and meta-analysis

PLOS Digital Health

原論文・原資料を見る(外部サイト・新しいタブで開きます)

あわせて確認した研究

条件・指標によって異なる近い領域の研究

短期の運動支援でも、分析によって判断が分かれる

目標設定や個別の助言を含む運動コーチの試験では、12週間の全時点を使った分析で行動の差が見られました。一方、必要なデータがすべてそろった参加者の単純な変化の比較では、明確な差とは言えませんでした。

研究では何を比べた?
画面上のコーチ・目標設定・個別の助言を組み合わせた支援と、比較する条件
何を測った?
歩数や身体の活動量
対象
n=70
ここまでは言えません

支援前と支援後を単純に比べた効果ではありません。コーチのキャラクターだけによる差とも言えません。

YataLogicでの読み方:目標、進み具合、本人に合った助言を届ける仕事を明確にします。

研究について詳しく見る(短期の運動支援でも、分析によって判断が分かれる)
研究デザイン
RCT
比較・研究条件
バーチャルコーチ+目標設定/フィードバック vs 対照
測定指標
歩数・活動量
主な結果
12週で全時点を使った反復測定では差があったが、完全ケースの単純変化はp=.07。
主要数値(尺度は研究ごとに異なります)
+2.9% vs -12.8%、反復測定p=.02
言えること
短期行動支援に可能性がある。
重要な限界
介入前ベースラインの単純前後差ではない。キャラクター単体の効果ではない。
数値や研究方法についての補足へ ↓

Watson, A., Bickmore, T., Cange, A., Kulshreshtha, A., & Kvedar, J.(2012)

An Internet-Based Virtual Coach to Promote Physical Activity Adherence in Overweight Adults: Randomized Controlled Trial

Journal of Medical Internet Research

原論文・原資料を見る(外部サイト・新しいタブで開きます)

うまくいかなかった研究・注意点

会話エージェントを使っても、研究の最終評価まで参加した割合に明確な差がなかった分析があります。短期の結果を、長期の利用継続へそのまま広げることはできません。怒りや失敗の場面にも注意が必要です。

明確な差は確認されず近い領域の研究

会話する案内役でも、参加継続に差が出ない場合

健康分野の会話エージェントを扱った比較試験をまとめると、最後の評価まで研究に参加し続けた割合は、比較条件とほぼ同じでした。明確な差は確認されませんでした。

研究では何を比べた?
会話する案内役を使う条件と、各研究の比較条件
何を測った?
最後の評価まで研究に参加し続けたか
対象
14 RCT・合計11,059人
ここまでは言えません

測ったのは研究への参加継続です。アプリを使い続けることとは別の指標です。

YataLogicでの読み方:利用、完了、再開など、何を「続いた」と呼ぶかを先に決めます。

研究について詳しく見る(会話する案内役でも、参加継続に差が出ない場合)
研究デザイン
系統的レビュー・メタ分析
比較・研究条件
会話エージェント vs 各対照の14 RCT
測定指標
最終評価への研究参加継続
主な結果
統合RRはほぼ1で差なし。
主要数値(尺度は研究ごとに異なります)
RR=.99[.95,1.03]、n=11,059
言えること
会話エージェントでも研究参加継続は改善しない場合がある。
重要な限界
研究参加継続はアプリ利用継続とは異なる。
数値や研究方法についての補足へ ↓

Cevasco, K. E., Morrison Brown, R. E., Woldeselassie, R., & Kaplan, S.(2024)

Patient Engagement with Conversational Agents in Health Applications 2016–2022: A Systematic Review and Meta-Analysis

Journal of Medical Systems

原論文・原資料を見る(外部サイト・新しいタブで開きます)

差が確認できなかったことは、あらゆる場面で効果がないという意味ではありません。逆効果も、そこで調べた条件の結果として読みます。

YataLogicでは、こう考えます

以下は、複数の研究を実務向けに整理した設計のヒントです。自社で同じ結果が出ると保証するものではありません。

研究で分かったこと

ロボットやチャットボットなどの研究をまとめた分析では、人間らしく感じる程度と、使いたい気持ちに小さい正の関連が見られました。使いやすさや役立つこと、安全に感じることなども関わっていました。

YataLogicでの応用

親しみを持てることに加え、実際に役立つ支援を用意します。

元の研究と条件を確認する ↑
研究で分かったこと

教育用の案内役を扱うレビューでは、学習成果に小さい正の差を示す分析が多くありました。一方、学ぶ意欲や感情については、結果がそろっていませんでした。

YataLogicでの応用

学習成果が良かったことを、そのまま利用継続率の根拠にはしません。

元の研究と条件を確認する ↑

実際に使ったら、何を見る?

任せた仕事に合わせて、次の反応を分けて確認します。

  • 7日後・30日後も続けたか
  • 予定した行動を完了したか
  • 中断から7日以内に再開したか
  • 通知を止めた人が増えていないか
  • 契約を更新したか(短期の利用とは別に確認)

研究についての補足

本文は数字を読まなくても分かるようにしています。統計値の意味を確かめたい方はこちらをご覧ください。

数値や研究方法の意味を確認する

数値は、研究で測った差や不確かさを確かめるための補足です。異なる指標を同じ「改善率」に置き換えることはできません。

p値
帰無仮説の下で、観察結果以上の差が得られる確率の目安。 効果の大きさではない。p<.05でも実務的に大きいとは限らない。 p<.05=『大きな効果』としない。
95%信頼区間(95% CI)
推定値の不確実性を示す範囲。 SMD/gなら0、RR/ORなら1をまたぐ場合、明確な差とは言いにくいことが多い。 範囲ごと見る。
Hedges' g / SMD / Cohen's d
異なる尺度の平均差を標準偏差単位でそろえた標準化効果量。 0.39は39%向上ではない。 g=.39 → 『標準化された差』と説明し、%へ変換しない。
RR(リスク比)
事象が起こる割合を条件間で比べる指標。 RR=1が同程度。 RR=.99[.95,1.03]→ほぼ同程度でCIも1をまたぐ。
相関 r / 補正相関 rc
2つの変数が一緒に変わる程度。 相関だけでは因果を示さない。 『関連があった』と表現。
RCT
対象を無作為に群分けする比較試験。 一般に因果推論に強いが、その介入全体の効果。 キャラクター以外の機能が同時に入る場合は単体効果と呼ばない。
メタ分析
複数研究の結果を統計的に統合する方法。 研究間の違いが大きい場合、平均値だけでは不十分。 I²や対象・介入の違いも確認。
NS / 有意差なし
統計的に明確な差を確認できなかった状態。 『効果がゼロと証明された』とは限らない。 『この条件では有意差が確認されなかった』と書く。
I²
メタ分析で研究間の結果のばらつきの大きさを見る指標。 高いほど平均効果だけで一般化しにくい。 I²=97%なら異質性が非常に高いと明記。

本ページの整理は、YataLogicが複数の研究を実務向けに読み合わせたものです。科学的に確立された独自モデルではありません。

参考文献

このページでは5論文・資料の5件の結果を扱っています。同じ論文の別の結果は、分けて紹介しています。

  1. Blut, M., Wang, C., Wünderlich, N. V., & Brock, C.(2021)

    Understanding anthropomorphism in service provision: a meta-analysis of physical robots, chatbots, and other AI

    Journal of the Academy of Marketing Science

    原論文・原資料を見る(外部サイト・新しいタブで開きます)

    紹介した結果:使いたい気持ちと、使い続けることは別

  2. Schroeder, N. L., Davis, R. O., & Yang, E.(2025)

    Designing and Learning With Pedagogical Agents: An Umbrella Review

    Journal of Educational Computing Research

    原論文・原資料を見る(外部サイト・新しいタブで開きます)

    紹介した結果:学んだことを覚えることは、利用継続とは違う

  3. Chen, S., Fang, Y., Ding, L., Mo, P. K. H., & Wang, Z.(2026)

    Artificial intelligence–based chatbots to enhance medication adherence among patients with non-communicable chronic diseases: Systematic review and meta-analysis

    PLOS Digital Health

    原論文・原資料を見る(外部サイト・新しいタブで開きます)

    紹介した結果:服薬を支える仕組みには可能性、結果には幅

  4. Watson, A., Bickmore, T., Cange, A., Kulshreshtha, A., & Kvedar, J.(2012)

    An Internet-Based Virtual Coach to Promote Physical Activity Adherence in Overweight Adults: Randomized Controlled Trial

    Journal of Medical Internet Research

    原論文・原資料を見る(外部サイト・新しいタブで開きます)

    紹介した結果:短期の運動支援でも、分析によって判断が分かれる

  5. Cevasco, K. E., Morrison Brown, R. E., Woldeselassie, R., & Kaplan, S.(2024)

    Patient Engagement with Conversational Agents in Health Applications 2016–2022: A Systematic Review and Meta-Analysis

    Journal of Medical Systems

    原論文・原資料を見る(外部サイト・新しいタブで開きます)

    紹介した結果:会話する案内役でも、参加継続に差が出ない場合

では、自社なら?

今の課題から、キャラクターに任せたい仕事を整理できます。

自社のキャラクターに何を任せるか診断する

8問・約2分・登録不要

そもそも、うちの会社にキャラクターは必要? →

自社の事業に合わせて整理したい

事業の特徴と顧客との接点から、任せる役割を一緒に考えます。

YataLogicに相談する →